お疲れサマンサ

晴れ。冷えてきた。このままいってくれ。こんばんは、ミランダ・カーです。

新しいことをやるというのは本当に大変だと感じる。サマンサタバサが冬のボーナスを不支給にしたニュースを見た。「暖冬により客足が計画の8割になった」というようなことが記事に書かれていたが、客数が8割になるというのは緊急事態であり、ちょっとやそっとのことではそうならない。確かに今年は暖冬で冬物商材の進捗は悪く、各社苦戦しているのに間違いはないが、それでも全体の客数が8割、ということはない。トレンドの周期によってブランド力が落ちることはどんなブランドでも起こる。サマンサタバサだってそれはわかっていたはずだし、その為のアクションも起こしてきたはずだろう。ただ結果的にそれは功を奏することなく今日に至った。外出ニーズを基本とするバッグ屋にとってコロナが痛手だったのは間違いないが、それよりもトレンドの変化の方がインパクトがでかかったろう。とかなんとか言っているが、こんなものは結果論でしかない。別にサマンサの動向を追いかけていたわけではないくせに、要するにトレンドが終わった後の市場についていけなかったんだろ?と月並みな推論を書いているにすぎない。しかしそれは厳然とした結果でもある。ブランドとしての訴求力がなくなったら、方針を転換するか価格を下げるしかないが、そのどちらも叶わなかった、ということだろう。

一気に飛躍した話になるが、いま、あるいはこれまでやってきたことをやめて新しいことをやるというのは本当に大変だと思う。「過去-現在がマイナスだらけでどう変えても相対的にはプラス」という状況もあることにはあるが、「過去-現在は一定の成果が見られ、変えた先のプラス幅は未知数」という場合、変化を選択するのは勇気がいる。俺はけっこう保守的なのでなるべく変化のない日々を送りたいが、仕事をしているの上記のような業務判断を迫られることもあり苦しい。人生における選択ならもっとだ。東京に出てきたのは俺の人生ではかなりの英断だったが、弊社に入社したのはツメが甘かったと言うよりない。

ところで、先週の記事で、弊社上層部が、"気遣い"のできる社員が減ったことを嘆いており、それは会社が社員から愛されていないことが原因ではないか、ということを書いた(つもりだ)。そもそも、社員に"気遣い"をして欲しいなんて方針自体が(それが部下に対するものに焦点があるとしても)キモい。"気遣い"を強いると、今度はそれをしている人としていない人の間で軋轢が生まれたりするし、自分は"気遣い"できているか!?と周りをキョロキョロとしてしまって最高にストレスである。だから俺は、助けて欲しいと誰もが求められる会社のほうがいいと思う。"気遣い"の要求は、「悩んでいる人は助けを求められない」という前提に基づいている。だったらその前提に対処するべきではないか。だから、"気遣い"をさせる訓練ではなく"助けを求める"訓練をしたほうがいい。こんど話す機会があったらそれ言おうっと。