ユニクロ探訪

晴れ時々雨。台風といえそんなに影響もなくてよかった。こんばんは、マギーです。

値上げ、値上げ、値上げである。昨日、今日と取引先とずっと話し通しだが、どのメーカーも値上げの要求である。今まで作っていたものが同じ値段で作れない。どうにか値上げしてくれと頼まれ通している。仕入れ値が上がれば当然、店頭価格も上がる。すると消費者たるあなたは「ああここも値上がりしたか、もう買えないなあ」と思う。そうすると小売業もメーカーもみんな倒れる。そんな未来にため息をつきながらどうにか妥協点を探り合う日々である。

それでも今週は、こうしたすぐには解決できない問題がある以外の業務は軽く、今日はずいぶん久しぶりにユニクロを見物して、「さらにできるようになったな!」と赤い彗星の語録も飛び出す感銘を得た。特に良かったのは、スヌーピー×レインスプーナーというダブルライセンス企画のテーサツ群。

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元々、作者のチャールズ・シュルツがスポーツ好きというのもあり、スヌーピー×スポーツというモチーフは数多くのプリントが作られてきた。サーフものも多かったので、アロハと合わせるというのも相性がいい。レインスプーナーっぽさはあまりないが、それは同シリーズのアロハ柄のショーツに譲るとしよう。とくにキッズのマネキンが着ているものは色数が多くポップで古着っぽくて、俺が着たいくらいだったがあいにくキッズサイズのみの展開。160cmまであるので小柄な女性なら着られるかも。とってもかわいい。こういう、二つのブランドが絡んだ商品というのは、各ブランドにライセンス料が取られる(店頭売価の数%)ため、普通の商品はもちろん、スヌーピー単体の商品などよりも仕入れ値が高い=企業の儲けが少なくなりがちだが、なかなかいい企画だと思った。

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これはレインスプーナーではなくスヌーピー単体はシリーズ、レディースである。柔らかいイエローがいい。メンズにもスヌーピーあるみたいだけど見なかった。メンズの方はシャツの品揃えが気になった。

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レインスプーナーライセンスのアロハシャツたち。素材はスプーナークロス(綿55%ポリエステル45%)ではなく綿100%。オープンカラーだった。実際のところ、レインスプーナーのアロハシャツはレギュラーカラーもしくはボタンダウンが多く、こういうアロハシャツらしいオープンカラーはそんなに多くないイメージがある。奥のブルーとレッドの柄はいかにもレインスプーナーという感じだが、手前のヨット柄は、まあ着やすいアロハ風という雰囲気。もっと色を使った方がそれらしくていい気がするが、ライト層にはこれくらいがいいというのもわかる。

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気合の入ったシャツ売り場。メインの平積みは10年ぶりのマイナーチェンジだというオックスフォードのボタンダウン。横のコーデはいかにも"take ivy"という感じ。夏物のセールスタートを感じさせる半袖シャツ群、マドラスチェックのレギュラーカラーとオックスフォードのボタンダウン。驚くべきはそのどちらもプルオーバー仕様。ユニクロのメンズ担当が熱烈なアイビー主義者になったのか?それとも俺が知らないだけでプルオーバーのボタンダウンは流行ってるのか?このプルオーバーシャツというのはかなりニッチなアイテムで、まともに毎年取り扱ってるのはビームスプラスと、三軒茶屋にあるセプティズというセレクトショップくらいだと思う。どちらも50年代〜60年代に流行ったアイビーファッションを愛するショップで、トレンドに流されず筋の通ったセレクトをしている印象がある。このプルオーバーシャツというのはシャツなのにボタンが開ききらず、被って着るという訳のわからない代物で、基本的には半袖シャツに使われる意匠だ。また、マドラスチェックという柄や素材も、非常にアイビーである。

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これらは俺の持っている『TAKE IVY』(この雑誌というかルポルタージュは1965年に発行された、アメリカの大学生たちのリアルな姿を撮影してきたものであり、一部のファッション好きな間ではバイブルとなっている)を撮影したものだが、上の写真ではスポーツジャケットのインナーにプルオーバーのボタンダウンが着られているのがわかる。下の写真はマドラスチェックショーツにシャンブレーのボタンダウンという正統派(正統派なのである)なアイビーの出立ち。今日見たユニクロのカジュアルシャツ売り場は、そのメインとなっているオックスフォードのボタンダウンを含めて、明らかにこういう世界観を源流としている。確かにサイズ感は今風のオーバーサイズになっていたが、この古き良きアメトラの世界というのは、はっきり言って今のトレンドとは全然違う流れだと感じていたのでちょっと驚いた。実際、在庫あったしあんまり売れてないのかしら?

ユニクロを冷やかしてからスシローへいった。前回来た時はひとりなのにテーブル席にしてしまったので今日はちゃんとカウンターに。YouTubeの自動生成プレイリストを聴きながら寿司を食べていたら、Dragon Ashの『life goes on』が流れてきた。めちゃくちゃ懐かしいと思いながら聴いていると、アルコールも入ってなんだか非常にいい気持ちになって、今日、メーカーの1人と話したことを思い出した。

「円安だなんだって、なんで人間が自分で勝手に作ったものに縛られて苦しんでるんだろうな」「もっと楽に暮らしていければ」「配信者とか、芸能人とか?楽そうだしなあ」「でもあれはあれで一握りの成功者以外は地獄、稼げる時期が終わったらそれも地獄だし」「は〜こんな商売でもやらんよりましか・・・」

life goes onだなあ。