ジーンズ哀歌

晴れ。少し暖かい。でもまだ寒くなるみたい。冬、もう少しやってたいです。こんばんは、new jeansハニです。

先日、髪を切ってもらいながらoceansを読んでいた。ファッション誌でよくある街角スナップ特集号だったのだが、そこに掲載されているファッション愛好家たちのデニム着用率の低さに驚いた。oceasというとデニム、もしくはインディゴ染の服というイメージがあったので、街角スナップとはいえそういうスタイルが多くなると思っていたのだが、実際はスラックスめいたワイドなパンツ、チノ、ワークパンツ、ミリタリーパンツなど、デニム以外のパンツが多かった。デニムでも、インディゴよりもブラックデニムが多いようにも感じた。実際、ジーンズショップは苦戦を強いられているようだ。ライトオン、ジーンズメイトマックハウスみたいなカジュアルチェーンは売上がどんどん縮小し、"ジーンズ離れ"的なコラムもネットに飛び交っている。それでもここ1年くらいは、90年台リバイバルで、バギーシルエットやフレアシルエットのものや、普通の洗剤で何度も洗ったようなのっぺりした色落ちのものなんかも人気のようだが、それはジーンズの人気というよりも、ジーンズを含んだ"時代な空気感"みたいなものを若い世代が新鮮に感じているということだろう。

ここへきて、俺がいま念頭においているデニムパンツとは、単に生地や形のことではなく、少し狭い枠で捉えられたスタイルであることを反省しなければならない。つまり、昨今の、少しメタ的な視点から扱われるコスプレ的なものではなく、90年代のアメリカ人への憧れや古着への好奇心と地続きになっているような、鮮度よひも憧憬が先立つようなスタイルを想起している。と、書き始めてなんとなくわかってしまったが、そりゃ、現代は情報技術が発達して、海外はもはやすぐ隣であるし憧れるべきスターも見当たらないし、ジーンズを泥臭く履けというほうが時代錯誤な気がする。

俺はジーンズが好きで、夏以外はだいたいジーンズを履いている。いろんなブランドのものを履いたが、最近ではworkersというところのものをよく履いている。シルエットと履き心地、価格のバランスがいいからだ。クラシックだが懐古趣味すぎず、右綾なのに柔らかい。バキッとしたら色落ちにはならないが、それがかえって、心地よい。ジーパンブランドではないが、"普通"な感じが好きで愛用している。ジーンズには各自の趣味やこだわり、その変遷があるだろうし俺も暫定的な着地にすぎないのだが、まあいまはそんな感じである。サイズは断然レギュラーフィット、太くも細くもないぐらいがいい。トップスも同じくらいのサイズ感で合わせる。スウェットにミリタリージャケットなんかも羽織っちゃって、もう浜田か所ジャージしかしてないようなコテコテアメカジおじさんである。別に俺が好きなようにしていればいいのだが、最近はどこに行ってもオーバーサイズとか、Y2Kとか、古着をデフォルメしたようなものばかり売っていて時代の齟齬を感じるおじさんでもあるのだ。