山本耳かき店

「着物姿の女性にひざまくらしてもらいながら耳かきサービスを受けられるお店がある」
というのはテレビで何度かみたことがあった。

しかし、俺は耳かきにもひざまくらにもそう興味があるわけではないので、そういうものがある程度の認識でいた。

ある日youtubeを徘徊していると、そうした耳かき店の宣伝動画があり、耳かきのサービスも提供していることがわかった。

これが大変きもちよさそうなのだ。特にこのハンドマッサージ!(性的でない)

えーなにこちょういってみたいと思ってはいたが、どうせ女性と触れ合うなら風俗いくか・・・などといって訪問する機会がなかった。



社会人生活が始まって、やたら肩がこるようになったこの頃、ふとさきの動画を思い出して、ああそういえばあのお店!いってみようと思い立ったのが今日。秋葉原に漫画を買いに行くついでにサービスを受けてみようと思ったのである。

お店のサイト → ★★★

さきの動画では新橋店とあったのだが、お店のサイトに新橋店のことが書いてなかったので秋葉原へ向かった。

所在地は、とらのあなドンキホーテが立ち並ぶ、電気街の大通りに面した雑居ビルの2〜4F。1Fにはラーメン屋の博多風流があり、その厨房のドアのすぐ横に階段の入り口がある。ひと一人分ぐらいの幅しかなく、本当に合法のお店なのかと思いたくなるイカガワシサがある。いかにも秋葉原のお店というイキフン。仕事終わりのサラリーマンや、呼び込みのメイドさんなんかがたくさんいたしけっこう躊躇ったのだが、エロいお店にきているわけではないと言い聞かせ、エイヤと勇気をだして階段をあがる。

2Fの受付にはいると着物をきたお兄さんが柔らかな物腰で対応してくれる。今回は耳かきコース60分5000円を選択した。60分でないと、例のハンドマッサージをやってくれないからだ。

料金を支払うと、お兄さんが「3Fと4Fの踊場に椅子があるので待っててください」という。階段をあがると確かに椅子がある。丸い、小さな椅子。椅子しか置けないようなスペースの踊場に椅子がある。座ってみるが、どうもここは椅子のスペースであって人間のスぺースではないと感じるが、秋葉原だから仕方ない。


お兄さんに「準備ができましたのでどうぞ」と促されて階段をのぼると、お相手の女性の方がフロアの入り口で待っていてくれる。嬢、と呼びたいところだが、このお店は風俗店ではないため、女性スタッフには「小町」という名称が用いられている。


小町「こんばんは〜ようこそ〜」

俺「こんばんはどうも」

小町「二番目のお部屋にどうぞ〜」

フロアには、三畳ほどのプレイスペ・・・もとい小部屋があり、それぞれのスペースは腰丈のどの間仕切りがあるが、それより上はカーテンが垂れているだけなので、視界はさえぎられても遮音性は皆無。お隣さんの会話はつつがなく聞こえる。

各小部屋には、簡易な布団と小町が陣取るスペース、客用の座布団があり、その他いろいろと小道具が置かれている。


小町「当店をご利用されたことはありますか?」

俺「いえ初めてです」

小町「そうなんですか!ありがとうございます〜はじめにお茶をお入れするんですが、あったかいのと冷たいのどちらがいいですか?」

俺「あったかいので」


そうしてお茶を持ってきてもらい、小町が自己紹介。Aさんというそうだ(どうしても風俗レポベースでかいてしまう)。
人見知りな俺はこの時にはじめて正面からご尊顔を拝んだのだが、面長な美人さんで、安堵する。声のトーンがときたまおもいっきり変わるのはご愛嬌。
お茶が熱すぎないかなどと気を遣ってくれる。

Aさんから60分コースの内容を説明してもらって、さっそくサービス開始である。



まずはひざまくらをしてもらって耳へのサービス。耳ツボマッサージ→産毛処理→耳かきという流れ。

ひざまくらは母親以外にしてもらったことなかったのだけど、若い女性の足は柔らかでいいものですな!細めな足のぬくもりを感じつつ重い頭をAさんにゆだねる。

耳ツボマッサージは、なんとなく、ってことはないのだろうけれど、とりあえず引っ張られてはつままれるという感じで気持ちよくもない。その後の産毛処理では小型のバリカンを使用するのだが、耳介のみならず耳穴にバリカンを突っ込むので、すさまじいモーター音が頭蓋に反響する。狭い空間にいれこむため、刃が耳内をかすめる。

A「痛いですか?」

俺「大丈夫でーす」

嘘である。痛い。

そして耳かきが始まる。俺は顔にタオルかけられてるので何されてるのかは触覚でしかわからない。

A「深さや強さいかがですか〜」

俺「大丈夫でーす」

嘘である。痛い。痛いのでどうしても体が反応してしまったらしい。

A「あっ、痛かったです?」

俺「えーと、普段耳かきってしないんですね。だからちょっと敏感で・・・」

A「え?」

ミス!言葉の選択をミスった!いや、確かに俺は耳が敏感だけど、それは舐められるとかそういう契機で顕現するところなので、風俗店でないこの店はミスマッチな言葉であった!

俺「いや、その、つまり、これが痛いのか、こういうものなのかの判断がつかないんです」

A「なるほど〜わかりました。ムリはしないでくださいね〜」

痛い、といえばいいものを、言えないところが恋人ができないゆえんかぽっぽ、そんな具合でぜんぜん気持ちよくない耳かきが終わる。と、ここで最後にAさんが耳に「ふっ」と息をかける!カスだとか産毛だとかを除くためだろうが、これには俺大歓喜!めっちゃきもちいい!

もう片方の耳も同様にやってもらったあと、Aさんがとれた俺の耳垢を見せてくれた。なんだこのプレイは。

俺「へーたまってるもんですねー」

などと言ってみるが、別に耳垢なんか見たくもない。

耳かきが終わると、Aさんが「ちょっと顔の汗ぬぐってもらっていいですかww」という。

今日は雨だったが気温は高く、ムシムシしていたため、俺は屋内に入るや否やドバっと汗をかいてしまっていたのだ。これは恥ずかしい。

俺「ファイ、すみません、汗っかきなもんで・・・」

A「いえ、私もそうなのでわかります。夏とかTシャツの替えもっときますよね」

俺「ですね〜」

A「ねーおんなじですー^^」

あ、あ、Aさん優しい君は。

耳かきの次は頭部のマッサージ。小さな手ででかい頭をうんしょうんしょと押していくが、別に大して気持ちよくない。割愛。

次はいよいよハンドマッサージ!待ってました!
ひざまくらをやめてふつうの枕に頭をのせ、顔にタオルがかけられる。Aさんは俺の右に座してなにやらごそごそと準備。

A「では失礼しまーす」

きた!Aさんが俺の手をとる!柔らかく滑らかな肌が俺に触れる瞬間に走る電流!これぞスキンシップ!
俺の右手を両手でハンドクリームを塗りこみながらマッサージするAさん、柔肌に恍惚となる俺。なお勃○はしないもよう。
動画とはマッサージの手法は違うものの、女性に手を取られてほぐされるというのは大変に心地がいい。ドチドチする。彼女ができたら絶対やってほしい。いや、やってあげたい。
手のひらのみならず、指をひとつひとつスリスリしてくれるのがいい。また時折ふと感じるAさんの手のひらの柔らかみも恐悦至極でござい。
左手も同様にマッサージしてもらって、最後に肩もみをしてもらってサービス終了。肩もみは、まぁ、こんなものかという感じ。


ポイントカードをつくってくれるが、そこに「お仕事おつかれさまです!」などと書いてあり、完全に風俗嬢の名刺のデジャヴである。


各所に気遣いがみられたし、「一緒にアキバまわりたいですー^^」などといって気持ちよくしてくれたので、なかなかいいサービスだったと思う。

女性に手を触られて喜ぶなどとまるで中学生のようだが、実際、性的なことへの関心は中学でとまってるから仕方ない。
もしできるなら、耳かき抜きのサービスをしてほしい・・・