ネ-バ-エンディンスト-オリ---アアア-アアア-アアア-

くもり。あまり寒くならない。こんばんは、ミリー・ボビー・ブラウンです。

ストレンジャーシングスのシーズン4が楽しみだ。シーズン1〜3は全部見ていて、お気に入りのドラマなのだ。ミリボビちゃんはまだ17歳だというのに既に完全に天下をとっているようだし、その他のキャストたちも他の映画に引っ張りだこのようだ。シーズン4の予告が公開され、キャストたちも登場したのだが、みんな大人なっていて非常に感慨深い。特にマイク、なんか顔伸びてない?ミリボビちゃんかわいいね。

ストレンジャーシングスの何がいいって、まずは徹底した80年代リスペクトだ。ファッションはもちろん、随所に差し込まれるBGMも80年代に流行した曲ばかりでその空気感がクールである。シーズン2終わりに、体育館でミリボビたちがダンスを踊るシーンは、バックにザ・ポリスの『Every breath you take』が流れるが、これは愛の歌であると同時に、監視やストーキングの歌でもあるというのが通説で、マイクとイレブンの初々しい恋を彩りつつ、裏世界で彼らを見つめるマインドフレイヤーをもダブルミーニング的に示していたりする。

そんなBGMづかいにこだわりを見せる作品で、シーズン3の最終話に『ネバーエンディングストーリー』が使われるのも非常に感慨深い。俺は(というか、ストレンジャーシングスを見た人なら誰でも)このシーンが大好きだ。この作品の全てが詰まっている。『ネバーエンディングストーリー』は、ミヒャエル・エンデの児童小説を原作とし、1984年に公開された映画で、ざっくり言うと、本が大好きないじめられっ子の主人公が、いつの間にか読み耽っていた本の世界に入り込んでしまい、彼自身の豊かな想像力と好奇心によって本の中のファンタジー世界を救う救世主として活躍する、というようなあらすじだ。ストレンジャーシングスの世界に戻ると、「恐ろしい怪物の住む裏世界があり、我々の世界を脅かそうとしている」なんて、普通の人間が聞けばファンタジー中毒に他ならない話だが、ダスティンはマインドフレイヤーとの戦いを通して、『ネバーエンディングストーリー』を自身と重ねていたはずだ。一方のスージーは年齢以上の知識を持ち、ファンタジーを愛する少女として、あくまでフィクション、しかし強い憧れを持ってこの作品を捉えていたであろう。そんな、オタクで少し厨二病の入った二人が『ネバーエンディングストーリー』を通じていかに深く絆をつくったかは想像に難くない。というか、想像に難くない、と思わされるのだ。シーズン3を通して謎めいた存在だったスージーという存在とダスティンとの絆、その全てに、あの歌を二人が歌うというそれだけで、一瞬で気付かされる。前述の通り、ストレンジャーシングスはBGMにかける80年代の名曲たちによって情景や心象の描写を行なってきたが、『ネバーエンディングストーリー』だけはキャスト自身の歌にBGMをメタ的にかぶせている。本来、ダスティンとスージーはアカペラで歌っているわけだが、そこに作中世界の"外"にあるBGM(鑑賞している我々だけに届く表現)が重なるというミュージカル的な演出が意味するのは、如何にこのシーンが、ストレンジャーシングスにとって重要かということだ。「この歌はキャラが歌ってるだけの劇中劇ではなく、この作品自体の表現ですよ」と示しているわけだ。

人類の存亡をかけた戦いなのに、それを左右するのは思春期の少年少女の不安定な恋心と好奇心。そのアンバランスさと、少年少女たちのフレッシュでイノセントな活躍は、ある種"安定的な"楽しさを提供してくれるが、ストレンジャーシングスはその優れた演出と選曲で一層の新鮮さを感じられる、というわけだ。シーズン4楽しみですね。