さあ飲めお前好きだろ野菜ジュース

雨。風強し。気温がグッと下がり、夜はジャケットがないと寒い。こんばんは、テレビ東京アナウンサー、森香澄です。

既にツイッターで通知したように、前歯イッたくさい。かちこちの雪見だいふくにガブリと噛み付いた拍子だ。最初は、雪見だいふくの表面に氷が張っており、それが砕けた音かと思ったが、砕けたのは俺の歯のようだった。痛みと共に「やっちまった」感が体を走る。雪見だいふくを見ると、その白い肌に少しの赤。小規模の出血があったようだ。昨夜ずっと前歯が痛かったのだが、今日になっても、何か歯を立てて噛むようなもの(指など)を噛んでみると鋭い痛みが走る。今度の週末に歯医者いこう。

そもそも、俺の右前歯はかなりボロボロである。小学生の時に喧嘩をしてしまい、相手のパンチがクリーンヒット、前歯は折れかけ、床に血だまりができるくらい出血した。地元の歯医者さんが、何とか差し歯にせずに済むように繋げてくれたのだが、神奈川に越してきて歯医者に行った際、「もっといい方法あるよ」と言って前歯の厚みを削り何か薬を詰めてくれたのだった。つまり、俺の右前歯は他の歯よりも薄くなっている。今回イッたくさい歯はこの歯なので、いよいよ心配というわけである。やだなあ、アイス噛んだら前歯折れましたって言うことになるのかしら。え?雪見だいふくですか?お餅もちもち雪見だいふくですか?って聞き返されるんだろうなあ。

ところで、歯医者というのは本当に嫌いだ。好きな人がいるとは思わないが、俺は輪をかけて嫌いだと思う。何週間にもわたってあれやこれやと通わされるのも鬱陶しいし、そもそも治療が痛い。それに、俺が地元で通院していた歯医者先生は(右前歯を繋げてくれた恩人ではあるが)、とにかく歯科衛生士のお姉さんたちを叱る人だった。「早くしてよ!」「なにやってるのほら!」とずーっとお姉さんたちを叱り飛ばし、院内は殺伐としていた。患者には優しい先生で、俺自身が叱られたことなどはないのだが、とにかく身内に厳しかったので、その怖いイメージが歯医者そのものと結びついて強い苦手意識が芽生えた。高校の時分になると、治療が終わるとなぜかその先生と雑談タイムがあり、自分の受験時代の話などを(聞きたくもないのに)聞かされたものだった。そういえば、このブログの過去に、俺の右前歯を薄く削った歯医者へ行った時のことがあったと思うので適宜参照されたい。

 

それはそうと、俺は小売業に従事している故に、日曜の休みというのは滅多にない。いまは店頭に立っていないが、それでも日曜日はほとんど仕事である。その代わり平日の休みがあるので、ディズニーなどには行きやすくそれは重宝している。とはいえ、年間休日は110日を下回っており、夏休みや冬休みを合わせてもそこに届くかどうか、といった塩梅だ。おまけに天気が乱れれば売上は崩れ、疫病が流行れば閑古鳥。全くヤクザな業界に入ってしまったものである。みんなは面白おかしく、寒くなっただのいつまでも暑いだの言っているが、実は俺にしたら死活問題であり、実際、10月の気温が下がらなかったせいでどの小売もボロボロな業績だと聞く。そうなると本部スタッフには、落ち込んだ成績および積み上がった在庫に対するリカバリーアクションが求められる。これが非常に厳しく、巨大なストレスが早足でやってくるのがわかる。

俺はこんなことがしたくて上京してきたのか?と毎日のように考えるのだが、別に他にしたかったことがあるわけではない。ただラーメン食ってアダビデを見てたいだけなのだから。勤労意欲などカタツムリの糞ほども無い人間なので、「何がしたいのか」と問われれば「何もしたく無いのだ」と答えてしまう。生きていかなければならないので日々仕事をするが、もはや俺の人生でやるべきことなどほとんど残っていない。かといって死んでしまうのは、親や周りの人たちにあまりに申し訳ない(自己存在の存亡と世界の存続との関係については各人の見解があるだろうが、それでも自分の死後に尚他者を想うということは、哲学的テーゼというよりは牧歌的な思いやりに類する感情と思う)。

これもハタチくらいの時なのだが、人生の幸せは、大きな目標・成功へ向かうよりも、目の前の小さな嬉しさや楽しさをついばんでいくことの方が大事なんじゃないか、と思うようになった。その方が苦しみが少ない(=幸せな)状態が続くのではないか、と。これはより易しく生きていくのにけっこう役立つと思っていたのだが、最近、少し疑いが出始めている。その話はまた今度。

はー歯医者めんど。