『GIジョー バック2リベンジ』


予告編のパワードスーツを期待して見たのにあっという間にぶっ壊れて、悪役もあっという間に捕まってでつまらん尽くしだったGIジョー。その続編ということで、またニンジャバトル以外に見どころもないだろうと思いながら見たのだ。


予告編


こういった爆発!格闘!大活劇!っていう感じの映画は感想を書くのが大変なので、ネタバレ込であらすじをなぞりつつ書き進めていこうと思う。


前作でGIジョーの仲間入りをし、悪の組織コブラコマンダーと武器商人デストロを見事逮捕した、チャイニング・テイタム演じるデュークは今作ではGIジョーの指揮官に就任、そつなく任務をこなしていた。ところが、こちらも前作で策略によって大統領になりすましていた怪人ザルタンの罠によって、GIジョーは全滅、デュークも戦死してしまう。

死んだと思われていたコブラの戦士ストームシャドー(イ・ビョンホン)が、逮捕されていたコブラコマンダーファラン・タヒール)を解放、新たな悪人ファイヤーフライ(レイ・スティーブンソン)も加わって、再び世界征服を目論むコブラに、生き残ったGIジョーはブルース・ウィリス演じるGIジョーOBのジョー・コルトンを招聘して立ち向かう・・・・!


といったあらすじなのだけど、視聴体験としては、まず、前作での登場人物がいつの間にかほとんど消えてしまい、とってつけたような状況説明の後に作の主人公が速攻で死んでしまう展開に、呆気にとられるところから始まる。前作終盤で、マスクまで付けてキャラ付けされたデストロでさえ、セリフの一つも表情のアップもなく退場する。どういうことなのだ・・・仕方ない、助っ人参戦したブルースに期待するか〜と思いきや、見せ場と言える見せ場は予告編で見えるそれでほとんどだったりして、ものすごく影が薄い。薄いのは頭だけにしてほしい。ただでさえハゲ枠はドウェイン・ジョンソンでお腹いっぱいなのだから。


そうなってくると期待をかけるのはハイテク兵器でのドンパチと、スネークアイズ(レイ・パーク)とストームシャドーのニンジャ対決になるわけだが、これらも、もう少しおかわりが欲しいなぁという気分がある。

各所で(予告編でのバイクミサイルのような)おもしろ兵器が登場するものの、多くはお定まりの銃撃戦だし、なぜかGIジョーがコブラの兵器の扱い方を知ってたりするのも謎。終盤にドウェイン・ジョンソンとレイ・スティーブンソンが繰り広げる肉弾×銃撃みたいなアクションはゴリマッチョ同士ですごく腹が膨れる割に満足感がないし、それ以外でも全体的に、かっこつけようとしてかっこついてない。


ニンジャ対決の方はというと、とにかくスネークアイズの立ち居振る舞いがかっこいいのとストームシャドーの湿気のある狂気が魅力的なのだけど、物語中盤でストームシャドーが心変わり、スネークアイズと仲直りしてしまうために二人が戦うシーンは一度しかない。このニンジャ絡みで登場する建物や人物がどれもこれもうさん臭くて、イマドキここまで偏った日本描写、というかオリエンタル描写をするのかというくらい勘違いはなはだしい。恐山のイタコよろしく祈祷しながら怪しげな薬を処方するババアの横で最新鋭の機械がウィーンガシャと動いてるシーンなどは完全にお笑いだ。機械に祈ってどうする。

絶壁でロープにぶら下がりながら敵ニンジャと戦うシーンもなにやってるんだかよくわからないし、新たに登場したストームシャドーの従姉妹だというジンクス(エロディ・ユン)も、ずいぶん重そうに刀を扱うのであまり強そうに見えない。レイ・パークスターウォーズでダースモールとしてあんなにかっこよかったし足もよく上がるのだから、もっとスネークアイズの出番が見たかった。


参考


まぁ、あまり期待しないで見たからそんなにガッカリはしなかったけど、コブラコマンダーはまた逃げたし続編つくるとするならもっとましなものにしてくれという感じがある。ところで、GIジョーって映画以前にアニメがあって、アメコミとかが好きな人はそのアニメとの比較をしてみせるのだけど、俺はコブラコマンダーの甲高い声と謎の区長でコ〜〜〜〜ブラ〜〜〜〜〜と叫ぶってことしか知らないのだ。


参考


若本御大が二役やってるな・・・