チノパン探訪

晴れ。あったかい。こんばんは、北川景子です。

 

仕事終わり、別部隊の部長とエレベーターで一緒になって「いいチノパン探してるんだが知らないか?」と聞かれた。結論から言うと答えられなかったのだが、チノパン探しは非常に難しい。ジーパンと違って、チノパン専業ブランドは少ない。「ドレスでもワークでもない、チノパンの王道ってなに?リーバイスの501みたいな」と部長に聞かれたのだが、さっぱり思いつかない。俺もいろんなチノパンを履いてきたのだが、「ふつうの」「なんてことない」「安心して履ける」チノパンにはいまだに出会っていない。

チノパンは元を正せばミリタリーウェアである。イギリス陸軍の軍服が起源と言われているが、アメリカ軍のものが有名だ。カーキベージュのツイル織り、縦方向のポケットにストレートシルエット。それが一般人のカジュアルウェアに浸透し、いまやメンズファッションの大定番になっている、が、不思議なものでチノパンといえばコレ!みたいなブランドはなく、各々が各々のチノパン像を持っている感じだろう。ルーツを辿るのであれば上記のようなミリタリーものを探すことになるが、ドカンと太いものが多く、クセのあるシルエットを履きこなす必要がある。いまはそうしたアンバランスさがトレンドになっていて、特にフランス軍のものは人気である。よりワークパンツとしての傾向を強めるなら、ディッキーズやレッドキャップのものがいいだろうが、いい大人が履くにはちょっとヤンチャ感もあるし、裾幅が広くて靴を選ぶ。綺麗めでスラックスめいたシルエットがいいなら、最近はコーディングスというブランドが国内流通しておりいい感じだ。その他には、複数のシルエットから選べて生地クオリティも高いバリーブリッケン、ヴィンテージに敬意を払いつつ履きやすく仕上げているビルズカーキなどがあるが、どれも25000円前後となかなかのプライスである。もう少し値段を抑えたところで言うとバーンストーマーという日本のブランドがあり、ここは18000円くらいでやや細身なシルエットのチノパンを揃えている。

俺はここにあげたブランドのいくつかを実際に試したが、結局、俺の中で定番化せずいまは履いていない。なんというか、どれもあまり「ふつう」じゃないのだ。生地ががっしりしていて光沢があるので他の服がパワー負けしてしまったり、細身すぎて体型と合わなかったり、シルエットがクセつよくて履く頻度が減ってしまったり。もっとなんてことないチノパンが欲しいし、履いてたらすぐ柔らかくなるようなものがいい。それこそリーバイスジーンズのような。アーペーセーみたいな緊張感のあるジーンズじゃなく、リーバイスのふつうの501みたいなのがいい(ちなみにジーンズでは、最近はworkersというブランドのものと,handroomというブランドのものをよく履いている)。

いまのところ一番良かったのは、原宿の超老舗セレクトショップ、CASSIDY(キャシディ)がオリジナルで出しているチノパンだ。生地が柔らかく、シルエットも細くも太くもない。気負いのないパンツである。さて、なぜそれを履いてないのか?このパンツは34インチ(Lサイズ相当)までしかなく、いまや36インチ(XLサイズ相当)となってしまった俺は買えなくなってしまったのだ。痩せないとなあ、今日も二郎食ったけど、、、