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曇りのち雨。はーくそだる。こんばんは、キム・ダミです。

人気者になるというのは大変である。

俺は人気者に強い憧れがある。俺の兄貴は行く先々のコミュニティーでいつも人気者だった。人当たりが良く、人に好かれる才があるように見えていた。人生が楽しそうに見えたのでオラもそうならたいだ!と思って生きてきたが、人気者になった経験はない。自分が輪の中心にいる!と思ったことはないし、人に慕われていると感じたこともほとんどないし、そういう記録も残ってない。たまたま気が合った少ない仲間と隅っこでクスクスとしているのが常だった。基本的に誘う側の人間、すぐに切れてしまいそうな縁にすがりついてなんとか社会を維持している人間にとって、人気者は太陽のように眩しい。ああ俺もそうなりたい、他人の笑顔に囲まれたい、他人から「いてほしい」と思われたい。しかし現実はそうはならない。人当たりも良くなく、好き嫌いがすぐ顔に出るし、強い言葉を使えば面白いと思ってるタイプだし、こだわりも強めだし。よくもまぁみんな相手にしてくれるもんだと感謝感謝。

おっと、俺個人の話ではない。YouTubeの話だ。クソアナログ企業である弊社でもYouTubeチャンネルを開設しており、今日は俺の商品をどのようにYouTubeで販促するかの打ち合わせがあった。大の大人が4人も5人も集まって打ち合わせをし、モデルを手配し、撮影時にはさらに大人数のスタッフが働いて完成した数分の動画、その再生回数は数百回しか届かない。かたや、ただ大盛りの飯を食うだけの素人の動画は数万回再生を記録する。俺は公正世界信念をわりと強めに保持しているタイプなので、こうした現状に歯痒さを感じている。YouTuberたちも、本当にそんなに有名になると思って始めた人は多くないだろう。運と実力の両方によって獲得したその位置に、無名企業が到達するのは至難の業、おまけに視聴者が見たいものを映すのではなく、こちらが見せたいものを勝手に映しているだけである。

はー人気者になるのは難しい。人気者でない俺が所属する人気者でない企業の人気でないYouTube打ち合わせをしていると、人気が持っている理不尽さとかそこを獲得しようとする虚しさを改めて感じてしまうのであった。