今年の秋冬ほしいもの


気付けば更新が1年も滞っていた。

たぶんディズニーにハマってじっくりと家で過ごす時間が減ったからだと思う。

夏服のことも書かないまま夏が終わってしまった。
全国6500万人の当ブログファンには申し訳ないと思う。


ではさっそく、今年の秋冬に俺が気になっているものを、ピックアップしていこう。
今回からは、特定の商品にこだわらず、ざっくりと服種で追いかけてみようとおもう。

MONSTER PARKA


昨年から、ツイッターでも流行る流行ると言い続けているモンスターパーカー。
直近の更新記事でもオススメしているが、気合をいれて再度説明する。

この服はアメリカ陸軍が採用している、ECWCS(寒冷地拡張被服システム)という概念から考案されている。
ECWCSは、肌着からオーバーコートに至るまで、特定の衣服を決められた順番で重ね着をすることで、寒冷地での快適な活動を目的としている。
ECWCSは何度か更新されているのだが、第一世代のゴアテックスパーカ(下図)などは、もはやストリートの定番として広く愛用されている。

モンスターパーカーは、ECWCS第三世代という最新式の防寒システムに含まれており、
保温効果のあるフリースや、防風機能のジャケットなどをレイヤードした上で、もっとも外側に着るコートとして開発されている。
中綿にはダウンの数倍の保温力があるというプリマロフトという素材、表地には、繊維の段階で撥水加工をした特殊なナイロン生地が使われているのがオリジナルの仕様である。


ECWCS第三世代などの、ここ10年間くらいで作られたミリタリーもの、「近代ミリタリー」と呼ばれるこれらの衣類は、
オリーブや迷彩柄のコテコテな軍モノとは違ったスタイリッシュさとモード感で、古着市場でも人気が高まってきてる。
モンスターパーカーは2、3年前くらいから市場に出始めてきており、オーバーシルエットのトレンドもあるので、俺としては台風の目としてしつこくプッシュしていたわけだ。
結果的には、全く流行らなかったわけだが、今年は流行る。ぜったいだ。
昨年は、モンスターパーカーを紹介するときには古着屋を探してくれというしかなかったのだが、
今年の秋冬では複数のブランドからつくられているのだ。

冒頭の写真でモデルが着ているものは、is-ness(イズネス)というブランドの今年の秋冬。
手に入れやすいところでは、フリークスストアでも、marmotというアウトドアブランドとコラボしてつくられている。
他にも、ハバノスというブランドからも、かなりオリジナルの仕様に近い雰囲気でつくられているではないか。

それぞれの文章をリンクにしてあるから見に行ってほしい。
これだけのブランドがつくっていて流行らないわけがない。
着こなしについては、これだけインパクトのある洋服なので、ズボンさえはいていればいい。
サイズが異常に大きいので、ジップを開けなくても被るように着ることができる。
変に安いレプリカもあるが、ナイロンの質が悪かったり、中綿がスカスカであったかくない。
しっかりとした値段のものを選びたいところ。今年こそ、一枚どうでっか。



茶色いコーデュロイのジャケット


今年は春夏から、ベロアが当たり年になっている。レディースではトップスでもボトムでもベロア素材をよくみかける。
とはいえ、メンズがベロアを取り入れるのはなかなか気合がいる。
10〜15年前くらい、美容師連中が安い古着を着ていた時代は、プリントTシャツにベロアのテーラードジャケットなんてコーディネートをよく見たのだけど、アメカジの力が弱まっている昨今では周回遅れもいいところだ。
しかし、コーデュロイならずいぶんと楽ちんだ。コーデュロイほど光沢がなく、メンズファッションでは昔から馴染みのある素材。

しかも、今年はテーラードジャケットで取り入れるのがいい気がする。
これは俺自身の嗜好の偏りかもしれないけど、近年、テーラードジャケットが気になる。
もちろん、さっき書いた昔の美容師連中のような着こなしではなく、トラッドにベースを置いた着崩し、テーラードジャケットがもつ上品さを念頭に置いた上でのスタイリングがいいと思う。インナーをスウェットにするとか、ワークテイストのベストを合わせるとか。

カラーはブラウンがいい。コーデュロイという素材と非常に相性がよく、秋冬らしさが高まるのと、今年はどうもブラウンをベージュなどの同系色やチャコールなどと合わせた土臭いカラーコーディネートがいいような気がする。

写真のセットアップ(バラ売り)は、a vontadeというブランドのもの。
このブランドは個人的に気になっている。まだあまり取り扱いは多くないけど、公式のオンラインショップもあるし、中目黒に直営店もある。素材やディテールにこだわりを持ちつつ、力が入りすぎてないデザインがいい。
このブランドのほかにも、ビームスプラスのオリジナルや、jsホームステッドのオリジナルなんかもいいと思う。



シェットランドセーター


スコットランドにある、シェットランド島というところでつくられているからシェットランドセーターという。

日本でシェットランドセーターと呼ばれるものについて定義するのは難しいが、おおむね、ウールをつかって、袖と裾にリブがあり、縫い目がなく、表地には毛羽がある、くらいだろうか?袖の付け方はセットインもあるがサドルショルダーもあるので一概には言えなかったり。
シェットランドセーターは、特にトラッド好きにとっては定番中の定番アイテム。別に今年の流行でもないんだけど、軽くてあったかいし、アンデルセンアンデルセンのような窮屈さもないので今年は買い足そうかなと思っている。
インナーにシャツを着こんでもいいが、オススメはTシャツやサーマルなどをインナーにして、クルーネックのまま着るスタイル。この適当な感じがいい。
シェットランドセーターはいくつかの定番ブランドがある。

まずは、写真のイケオジが着ている、ピーターブランス。
今年はここのセーターが欲しい。公式サイトもないようなブランドだが、その界隈では超有名ブランド。リンクの店じゃなくても色んな所に置いてると思う。
このブランドはセーターを編んだあと、生地の表面をアザミの棘でひっかいて強い毛羽立ちをつくっている。21世紀になっても、洋服を植物で引っ掻いて風合いを出すなんてことをやってるすごいブランドだ。
ここまで強い毛羽立ちはいまやピーターブランスでしか買えない。

シェットランドセーターの王といわれる、エベレストも捨てがたい(ややこしい話だが、エベレストというのはブランド名で、これを運営しているのはAnderson&coという会社になっている)。
ピーターブランスに比べると毛羽が少なく、がっしりした生地感。肩部分の独特の編地が特徴だ。このブランドは取り扱ってるところが本当に少なくて、実物はほとんどみたことない。シェットランドはエベレストじゃないと!というファンも多い、気骨あるブランド。

いまの日本での一番人気はHarley of scotlandだろう。
なんといっても安い。先に紹介した2ブランドの半額以下である。その分、生地も少し薄くてモチモチ感も少ないが、暖かさは十分。俺が持っているのもこのブランドだが、薄い分、袖の細いアウターなどにも合わせられるし十分すぎる活躍。
強いこだわりがないならこれがおすすめ。

ビームスプラスのオリジナルシェットランドセーターは毎冬、大量のカラーバリエーションをそろえるので、店にいくとセーターが床から天井まで積まれていて面白い。質もしっかりしてるけど、クラシックを重んじるビームスプラスらしく、腕まわりが太め。




ガンジーセーター


ガンジーセーターも少しずつ人気があがってる気がする。
ガンジーセーターは、フィッシャーマンセーターの一種で、イギリスのガンジー島近辺に伝わるセーターをさす。
袖が身頃に対して真っ直ぐにつけられていて、少しハイネック、前後の差がないデザインが特徴。油分のある毛糸で編まれたセーターは海水を弾き、船の上でもあったかい。前後の差がないデザインは、急いで着ても問題がないようにという合理性から。
ハイネックで前後の差がないデザインのセーターといえば、アンデルセンアンデルセンだが、アンデルセンアンデルセンも出始めたころはガンジーセーターの一種として紹介されることもあった。デザインソースにしていることは間違いない。
ガンジーセーターもいくつかブランドがあるが、まず代表的なのは、写真の、ル・トリコチュールというブランド。まだここまで厚いニットの時期じゃないのか、リンク先の品揃えがイマイチで申し訳ない。このブランドはレディースショップでも取扱いが多く、バリエーションも豊富なのでオススメ。
よりオーセンティックなセーターが欲しいと思ったら、ガンジーウーレンズがいい。リンク先は無地だけどボーダーの展開もある。
分厚く、ガシっとした素材で癖のあるデザインなので、レイヤードなどのテクニカルなスタイリングには向かないが、それを補える単品の力がある。こちらは肩がしっかり落ちるセーターなので、シャツをインナーに仕込んでも可愛いと思う。



ロング丈のPコート


あまりコートを着てこなかった。冬用のダッフルコートと、春秋用のステンカラーが1枚ずつあるだけで、基本的にセーターやインナーダウンの重ね着で冬を乗り越えてきたのだけど、防寒性を考えるとすこし心もとなかった。
去年のある日、ダッフルコートを着たときに、「コートって中にいろいろ着込めて便利だな」という当たり前のことに思い当たり、コートの存在意義を再確認した次第。
冬用なら、素材はやっぱりウールがいい。暖かくて風も防ぐ。天然繊維ながらハイスペック。かといって、ステンカラーなどのオフィスすぎるデザインではジーンズに合わないのでピーコートがほしくなっている。ショート丈なんてありえない。前もどこかで書いたが、そもそもピーコートは船の上で着るものなので、腰より下まである丈のものしか存在しない。
腰丈でもいいのだけど、あったかいし前を閉めてもサマになりやすいロング丈をねらっている。

写真のピーコートは、リングヂャケットという日本のブランドのものだが、残念ながら今年は廃盤で手に入らない。
とってもいいコートなので代わりが見つからないんだけど、たとえばショットのピーコートは定番で展開されている(今年分はまだ入荷してないっぽい)。
ビームスライツが大きく展開しているコートもベーシックだけどよさそう(オリーブも出してほしい)。
高価格帯だと、シーラップというブランドのものはかっこいい。素材も上質、たっぷりとした前立てもゴージャス。別注品なので金ボタンになってるけど、現行のものは普通のボタンでそれもかっこいい。



いかついワークブーツ


こういうブーツはしばらく履いてなかったのだけど、ヘビーなアウターを着たときには、短靴では受け止めきれないときがある。
一足はこういう、ハイトの高いブーツが必要だ。しかもレースアップでワーク色が強い方がいい。
写真のブーツは、ワークブーツの雄、ホワイツのセミドレスというモデル。水牛レザーのものが光沢が強くてすき。
同じくらい有名なのは、レッドウィングのベックマンブーツだ。(なんかモデル名ちがうけど、だいたい同じ)比較的安価で手に入りやすい。
ウルヴァリンというブランドの、1000マイルブーツも有名。1000マイル(約1600km)歩いても壊れない!という売り込みで名付けられたブーツ。こちらもファンの多いもモデル。

この辺のブーツはぱっと見の印象が近いのでちょっとマニアックな世界だけど、アメカジ好きとしては憧れのあるブーツ。
ヴィンテージジーンズや軍パンに合わせちゃうと、さまぁ〜ずとかダウンタウンになってしまうので、スラックスとか細身のアンクル丈ジーンズなど、あくまでスッキリしたスタイリングで、ブーツの土臭さをアクセントに使うような合わせ方がいいと思う。



じゃ、また