好きな服の話 アウター編

いまこの時期はちょうど冬服が出そろって、もう買い時のピークか、それを少し過ぎたくらいのタイミングだ。
早いところではセールが始まりだしている。


まだ今年のアウター買ってないよ!という諸兄、気温も下がってきたことだし、この記事を読んで発奮していいアウターを買ってくれたらうれしい。


今回も、あくまで俺が好きなものを並べる。なるべく定番のもので、手に入りやすいもの(お手頃とは言っていない)を選んだ。
ではいこう。


グローバーオール モンティ ¥75000くらい


日本版の公式サイトが見つからなかったんでめいめい探してくれ。モデルは知らないお兄さん。
近年流行のダッフルコートは、イギリス海軍が船上で着用する防寒着として生まれた。
分厚いウールメルトン生地は防風性と保温性があり、トグルボタンは手袋をしたままでも留め外しが容易。


そんなダッフルコートが軍人から一般市民のものになっていったのは、このグローバーオールという会社が関わっている。
グローバーオールはそもそもメーカーではなく卸問屋みたいなもので、軍からの放出品を売っていた。
その中でもダッフルコートがバカ売れしたので、自分らで作ってみようというのがこのブランドの歴史らしい。


軍にはたくさんのメーカーが品物を納品していたので、世界最初のダッフルコートメーカーというのは不詳だが、
現在でも買えるものの中には、モンゴメリーというブランドがある。
モンゴメリーはダッフルコートを英軍に納品していた会社のひとつで、かなりルーツに近いものだ。
しかし、日本での知名度で言えば圧倒的にグローバーオールなので、今回はこのブランドを取り上げる。


一口にダッフルコートといっても、形も、ボタンの位置や数、着丈、襟の有無などいろいろなディティールの違いがあるけど、
今回は、ボタンは三つ、着丈はロング、襟はなくてフードと一体型、ボタンの留め位置はやや右へずれているというディティール。
最近のブランドでは体の真ん中で留めるものが多いけど、個人的にはこのズレてるのがかっこいい。
三つしかボタンがないのは少ない感じがするけど、長い着丈がヒラヒラとするのが無骨ですごくかっこいいと思う。


ネイビーカラーのイメージが強いダッフルコートだが、実際は、写真のようなキャメルカラーが主流だったらしい。
基本的にミリタリーものはキャメル、ネイビー、オリーブあたりが多いのだけど、海の上だしキャメルは目立つのでは?と思ってしまうが。
キャメルカラーはデニムにも相性がいいし、合わせやすいのでネイビーよりもオススメ。
そんなわけで、アイビーでナードな雰囲気のダッフルだけど、実は戦う男の洋服なので、
まちがってもショート丈でフェイクウールのチャチなダッフルなんて着ないでほしい。


ちなみに俺が古着屋で買ったダッフルコート↓

これはドイツ製で、Pコートのような大振りの襟がついている。フードはボタンで脱着可能なもの。
ボタンは四つで留め位置はやや右へズレ、着丈はロング。素材はウールが半分で、残りはコットンとポリエステルが半々。
かわいい。


さて次へいこう。




フィデリティ Pコート ¥3000〜40000くらい


これも楽天でもなんでも検索してくれれば出てくるのでめいめい探してくれ。
ダッフルと並ぶ人気アウターのPコート、似ているのは素材だけではない。
Pコートもイギリス海軍の防寒着として生まれ、アメリカ海軍などでも利用された。
左右どちらでも開け閉めができる、前身ごろのボタン配置は、生地の合わせ面積を増やすことで防寒性を高めている上に、
ボタンを欠損したときのスペアの役割も持っている。
大振りな襟を立てることで、海上で聞き取りにくい仲間の声を聞きやすくする役目もあるそうだ。


このフィデリティ(fidelity)というブランドはアメリカ海軍へ納品していた実績もあり、この手のアウターでは超有名。
肉厚なウールと馴染みやすいシルエットでみんなだいすき。
割と安価なのも街中でよく見かける理由か
変なものではないので、安心して買ってみるといい。
ちなみに、前々回のファッション記事で取り上げたCPOジャケットや、
昨年から流行のチェスターコートも、ここのブランドのものがおすすめ。




スクーカム スタジャン(アワードジャケット)¥37000〜


今年はあまり流行ってない印象のスタジャンだけど、個人的には何着か買っては手放してきたし、毎シーズン見てる服種。


スタジャンというのは日本での通り名で、レタードジャケット、アワードジャケットという呼称が一般的。
スポーツ選手の防寒着で、とくに大学生が学校の名前やチーム名、自分の名前などを刺繍したものが多い。
毎シーズン、いろんなブランドが作ってるけど、昔からずっと作ってる老舗というのは、このスクーカム(skookum)だと思う。
アメリカのブランドで、分厚いカーディガンなんかも作ってるんだけど、スタジャンの知名度が高く、
古着でも、前の持ち主(アメリカ人)の名前が入ったスクーカムのスタジャンが見つかったりする。


スタジャンというと、胴がウールで、袖が白系カラーのレザー、ショールカラーでスナップボタン留め、というイメージが強い。
ただ、このブランド自体は、どちらかというとメーカー色が強く、特定のモデルやカラーを定番として出しているということはない。
オーダーを受けた形で生産しているのか、バリエーションが非常に多く、見かける場所で形も素材も違う。
最初の写真で出したのは、レザーでラグランスリーブ(肩部分の切り替えが斜め)、ショールカラ―(ロールタイプ、ラインあり)、スナップボタン留めだが、


これは、ラグランスリーブの黒レザー、ショールカラ―(ロールタイプ、ラインなし)、ふつうのボタン留めとなっている。
ここで買える。



セットインスリーブ(肩が斜めじゃなく天地へまっすぐ)で、ショールカラー(ロールなし、ラインなし)、ふつうのボタン留め
同じところで買える。



ラグランスリーブ茶レザー、普通の襟(言い方わからない)、ジッパー開閉
ここで買える。


など、枚挙にいとまがない。いろんな形があるので、これが一番いい!ということもないのだけど、自分の気に入った形や色使いに出会えたら
長い関係を築いていけるかもしれない。




トラディショナル・ウェザーウェア セルビー ¥51840
ここで買える。

ステンカラーコートは、細身のズボンやスニーカーといった最近流行りのアイテムと相性がよく、ここ数年はすっかり定番のアウターとして根付いた感がある。
ステンカラーコートの老舗といえば、マッキントッシュなのだが、マッキントッシュのコートは10万前後するはずなので、ここはより買いやすい方をオススメしたい。
そうはいってもこの、トラディショナルウェザーウェアは変なブランドではなく、マッキントッシュのデイリーブランドで、よりカジュアルにマッキントッシュの世界を楽しむためのブランド。青山にある店舗には、マーガレットハウエルなんかもおいてある。


素材は非常に強く詰めたコットン生地で、裏地には防水性のある素材が張り付けられている。いわゆる「ゴム引きコート」。
イギリスでは定番の防雨素材で、ハリとツヤのある表情はスタイルを格上げしてくれる。
このセルビーというモデルは、トラディショナルウェザーウェアの定番で、着丈はロング。カラーバリエーションもデザインも伝統的なもの。
俺にはあまり似合わなかったけど、オススメ。


ショート丈のタイプはよりカジュアルに合わせやすく、シーズンカラーもあるので入門編としても。

オススメカラーはオレンジ(いまは置いてないっぽい。ごめん)。




バブアー ビデイルSL ¥52920
ここで買える。

こちらも、ここ数年大人気のバブアー。渋谷と梅田に直営店が出来たし、セレクトショップとのコラボも山ほど出ている人気者。


バブアーのコートはいくつか種類があるけど、その中でも一番人気なのがこのビデイルというモデル。
着丈はやや短めで、襟はコーデュロイ、パッチポケットとハンドウォームポケットがついた形。
実はバブアー、同じものを同じように作ってるだけでなく、いろいろと工夫を凝らしていたりする。
季節によってコーデュロイの厚みを変えたり、素材の厚みを変えたり、袖部分のリブをなくしたり、
防寒用のライニングもキルティングにしたりウールにしたりと甲斐がいしいほど努力しているのだけど、そこがフィーチャーされることはあまりない。


今回紹介するビデイルSLというモデルも、通常のビデイルではやや野暮ったいというニーズにこたえたスリムフィット仕様。
より細身のデニムなどにも合うようになり、スーツの上に来てもジャケットがはみ出さないように着丈も少し長く調整しているので、
アウターとしての格があがったような感じ。


カラーバリエーションは、ブラックやネイビーなどもあるが、オススメは断然オリーブ。
デニムとの相性もよく、インナーにフィッシャーマンニットやGジャンを指してもよく映える。


そういえば、この記事を書いている日中に、ビデイルを着ている女性を見た。デニムにスニーカーというカジュアルな装いに、
バブアーを羽織っていたのがすごくクールだった。


ちなみに、古い年代のバブアーには、四つのパッチポケットがついたものも存在しており、これは一段階高価。
別に機能的に優れているとかいうものではなく、趣味と希少性の問題なのだが。


ところでバブアーといえば、このワックスコットン(オイルドコットン)という素材が代名詞のようになっているけど、そもそもこの素材はなんなのか。


半分私見なんだけど、寒さをしのぐために、洋服に求められる要素は二つある。保温性と、防風性(防水性)だ。
空気を含むことで体温を保ち、それが風や雨で低下することを防ぐ。
現代で言えば、保温性を担うのがダウンやフリースで、防風性を担うのがゴアテックスなどのシェルということになる。


さて、そういう素材なかった時代にどうしていたか。保温性はニットの役割だった。
ウールで厚く編んだセーターはあたたかいが、網目が大きいため、風を通しやすいという難点があった。
回答のひとつが、先に紹介したボンディングコットンという、コットン素材の裏側に防水素材を当てるという方法。
もうひとつが、目を詰めて風を通しにくくしたコットンに、たくさんのオイルを吸わせることで撥水性を高めた、このオイルドコットン素材だ。


レザーが高級品で、ナイロン等の化学繊維もなかった時代、特にイギリスではこうしたオイルドコットン素材というのはポピュラーで、
バイクに乗るときや狩猟の際にも用いられていたようだ。
いまの時期に古着屋にいくと、この手合いの服がたくさん並んでおり、古いオイルの匂いでむせかえるようだけど、
最近のものは匂いが薄く、手で触ってもサラサラとしているので安心だ。


オイルドコットンつながりでこちらも紹介しよう。

ベルスタッフ トライアルマスター


バブアーにも、インターナショナルという似た形のジャケットがある。別にパクリとかそういうことではなくて、この時代にはこういう形が流行っていた。
古着市場ではバブアーよりもずっと人気で、ものによっては10万近い値がつくものもある。
ミリタリーのM−65のようだが、それよりもずっと細身で、スマートな印象。




ルイスレザー サイクロン ¥200000弱くらい?よくわからない


やはり一着は欲しいライダースジャケット。一言でライダースジャケットといっても、イギリス流とアメリカ流がある。
イギリス流は細身で着丈が長く、素材は牛革のほかにも羊革や馬革が存在している。
アメリカ流は着丈が短く胴が太い。素材は牛革が多く、ベルトやエポーレットといった付属品も多い。


こうした形の差は、両国のバイクに搭乗姿勢の差だ、とツイッターのフォロワーに聞いた。実際のとこ、ベルスタッフなどもイギリスのブランドなので、
おそらくそれが正しいんだと思う。


で、このサイクロンは、イギリス流ライダースでいちばん有名な形。同じブランドにライトニングというモデルもあって、こちらも大変かっこいいし有名なんだけど、より特徴的なディテールが多いのがサイクロン。
具体的には、裾の部分に垂れ下がったベルト。これがかっこいい。
これは裾部分の生地と地続きになっていて、取り外しなどはできないのだけど、革が柔らかくなるにつれ、自重でこのように垂れ下がってくる。
このバランスが、細身でぎゅっとしまったウェスト部分の言いようのないアクセントになってかっこいい。
閉めて着るライダースという感じ。


ただこのルイスレザーというブランド、一着を一人の職人がすべてつくるという大変手間のかかる生産方法をとっているのだけど、
日本人はルイスレザー大好きすぎてオーダーかけまくったために現在はオーダーできない状況になっている。
店舗にどれだけ在庫を持つものなのかよくわからないが、とりあえず新規に入荷することは当分ないため、手に入れるのが難しくなっている。
代わりといってはなんだが、日本発のブリティッシュヴィンテージのブランド、アディクトクローズにて、
同様なモデルを買うことができる。価格的にもこちらの方がおすすめだ。
ここで買える。



ショット ワンスター ¥101520(新品時)
ここで買える


こちらはアメリカ流ライダースの元締め、ショット。
たまたま同じ人が着てる写真があった(原宿にある「ラボラトリーベルベルジン」という激アツな古着屋の的場さんという方)。
ルイスレザーとは逆の縦横比というか、野暮ったさ満点だ。
肩についてるエポーレットや、大きなバックルのついたベルトなど、これぞライダース!という要素がもりだくさん。
こちらは、前を留めて着ると着丈の短さも相まってかなりおかしなことになる(ZOZOの写真は留めて着てるけど)ので、
どちらかというと開けて着るライダースという感じ。
インナーは、Tシャツはもちろん、シャツにネクタイをしてもいいし、ニットでもいいし、自由度は高い。
ちなみに、ワンスターという名前は、肩に星型のスタッズが打たれていること由来になっている(写真は古着だからとれている)。


ところで、革ジャンを着て歩く「旬」は、実は春だといわれてる。というのも、そもそも革ジャンはあったかくないのだ。
先に話した、保温性と防風性の話でいくと、革ジャンは防風性の担当になる。
もちろん、革なので多少は体温を保ってくれるが、外気が冷たいと革自体も冷たくなるので、
インナーにはサーマルやニットなどの暖かいもの、今年ならインナーダウンでもいいけど、差し込んでおくのが吉。




ロッキーマウンテンフェザーヘッド ダウンベスト ¥43200〜
ここで買える。


ダウンベストといえば、ロッキーマウンテンかクレセントダウンでしょう。
今回はより手に入りやすくて分かりやすくかっこいいこちらを紹介。


古着市場でも価格は高く、欲しい人がたくさんいるこのブランド、まちがいない暖かさはもちろんなんだけど、
魅力はなによりこのわかりやすさ!ナイロンの身頃に、レザーのヨーク。カラーバランスといい、なんてかっこいいのか。
ザ・男の子という感じがする。
襟にファーがついたものや、デニム素材のものなど、カラーも含めてバリエーション豊か。
どれを買っても間違いないけど、俺のオススメは、シーズンモデルの、デジタル迷彩のもの。⇒これです
もちろん、レディースにもばっちり。




トッドスナイダー × ロッキーマウンテン ダウンジャケット ¥52488

定番ものじゃないけど、ロッキーマウンテンつながりでひとつ紹介。
いま勢いがあるニューヨークブランドのトッドスナイダー。
チャンピオンとコラボしたスウェットをはじめ、タイメックスやジョンスメドレーなど、コラボ商品を多数展開しているが、
その中でも俺が気に入ってるのが、このキルティングダウンジャケット。


こうした、ショールカラ―で菱形のキルティングが入ったジャケットは、今シーズンたくさんのところでみかける。
襟がない服の流行と、キルティングという野暮ったさへの回帰志向が合わさった結果だと思うけど、実はこのデザインには歴史がある。


これは、ミリタリーに強い古着屋にいくと1,2着はかかってるジャケットで、割と安価だったけど最近は人気がでてきて、価格があがってる。
MA−1やM−65、A−2などのアウタージャケットではなく、モッズコートなどのオーバーコートの中に仕込む中綿入りのインナージャケット。
要するにインナーダウンの原型みたいなものなのだ。
トッドスナイダーは古着が好きだから、このジャケットのことも知っていて、これをもとにジャケットをつくった。
もっとも、菱形のキルティングは、エディバウアーというアウトドアブランドでも長く使われてきた意匠なのだけど。


中綿しかないミリタリーものと異なり、ロッキーマウンテン仕込みのダウンが充填されてるから保温性はばっちりだし、
この上からオーバーコートも着られるような厚みに仕上がっていた。
インナーはカットソーでもいいし、シャツにネクタイをしめてもいい。あまりダウンジャケットって着ないけど、こういうものなら欲しいなと思えた。
かなり人気で店舗でも足が速そうなので早めのGETをおすすめする。




アルファ MA−1 タイト ¥19224
ここで買える。


女の子が着てる方がかわいいのでそういう写真にしたけどもちろんメンズもある。
別にアルファじゃなくても他のもでてるけど、MA−1を定番で出してるところだし、なにせ老舗だからアルファのものを紹介する。


MA−1はアメリカ空軍用のジャケットで、コクピットに座ったときに邪魔にならないように着丈が短く作られている。
中綿という素材の保温性の弱さをカバーするためか、これでもかと詰め込まれた腕は胴体は太くてコーディネートしにくいのが悩みの種だった。
大御所アルファが、このタイトフィットを出したときは急いで買いに行った。
腕まわりのモタつきはかなり解消された上、短すぎるきらいのあった着丈もきもち長くなっているので、街中で着るのに十分なスペックになっていた。


とはいえ、現在ではもっともっと細くつくられたMA−1がたくさんあるので、必ずしもアルファでなくてもいいんだけど、
流行りのものは中綿が全然入ってなかったり、表地がよくわからないヘボいものだったりするので不満も多い。
細身が主流といえど、せっかくのMA−1なのだから最低限のボリュームは欲しいし、生地もこのテロテロとしたナイロンタフタであってほしい。


タイトと銘打っているが、それなりのゆとりもあるので重ね着の自由度も高い。ニットでもいいし、流行りのGジャンのインナー使いもかっこいい。
こんな具合に↓

ちなみにこのMA−1は、スピワック(spiewak)というブランドのものだけど、取り扱ってる店舗が少なくなかなか見つからない。




インバーアラン 3Aアランカーディガン ¥40000〜70000

番外編として、ニットをとりあげる。
アウター級のニットというとやはりインバーアランの、このアランカーディガンだ。
冬が来るたびにどこのセレクトショップもきっちり取り揃えてる。
着用しているのは、原宿ファッション界のボス、キャシディの八木沢さん。


価格に3万円もブレがあるのだけど、楽天でも見ると40000円弱のものがあるけど、ビームスなどでは70000円近い値段で売られてるのだ。
俺のイメージとしては、6万以上は出さないと買えないブランド、というイメージがあるので、楽天のやつは本物なのか?と疑いたくなるが。


一着一着、編み職人が手編みで仕上げているセーターはふっくらとしてあたたかく、着こんでもへたったりしない。
こうしたセーターをフィッシャーマンセーターというが、そのルーツは、名の通り、漁師が着るためにその奥さんが編んだものだったようだ。
油分を含んだウールをしっかり編みたてることで、保温性だけでなく防水性も付加されたという。
また、このケーブル編みとよばれる編み模様は家紋に似た役割を持ち、万が一溺死した際などにも、編み柄で身元がわかるようになっていたらしい。
もっとも、現代では編み柄で身元がわからなくても大丈夫なので、製品として流通しているものの編み柄は統一されているようだ。


そんなインバーアラン、見ての通り風はスースー通すので、風の強い日などはこの上になにか羽織るか、インナーに重ね着をして風を防ぐ必要がある。
なんとも、高価なわりにじゃじゃ馬なのだ。ビームスからの提案は、ショールカラ―のガウンタイプをGジャンに重ねるスタイル。



この記事で何度となく言及した、Gジャンとアウターを重ねるというスタイリングは、たぶんバイク乗りたちの工夫から始まってるんだけど、
すごくかっこよくて大好きな組み合わせ。中に仕込むには少し生地が厚いから、アウターの種類は選ぶけど、ステンカラーコート、アランカーディガン、オイルドジャケット、チェスターコートなど汎用性は高く、手軽にワンランクアップなテクニックだからみんなも真似してほしい。




最後に、アウターはファッションの華形だから、下手なものを着ると最高にチャチだし、なにより寒い。
機能性も大事だけど、気合いれて買ったアウターをまとって外に出ると本当にいい気分だから、高いな・・・と思っても
イメトレと試着を重ねるうちに買った方がいいのではという催眠にかかってくるので、大丈夫だぞ(意味不明)。

じゃあ今回はここまで。あばよ!